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内部熱交換型蒸留塔

HIDiC -Heat Integrated Distillation Column-ワインの連続式酒石酸濃度制御プロセス

関西化学機械製作株式会社 / 木村化工機株式会社 / 丸善石油化学株式会社

本研究は、新エネルギー・産業技術総合開発機構 【NEDO】 から委託を受けた国家プロジェクトの技術開発であり、関西化学機械製作(株)・木村化工機(株)・丸善石油化学(株)の3社共同で研究開発を行っています。

目的

米国の1988年の統計値によると、米国工業エネルギー消費量の10.8%は「蒸留プロセス」で消費されてます。
その「現行蒸留プロセス」に対し、原理的に全く新しい「内部熱交換型蒸留プロセス」の開発を行うものです。
それ自体で 50%以上の省エネルギーとなりますが、コンデンサーの運転温度を上げて(例えばエコエネプロジェクトのように)外部に熱を供給することによって、その省エネルギー性は60%以上になります。

「内部熱交換型蒸留プロセス」の概念

「内部熱交換型蒸留プロセス」の概念

「現行蒸留プロセス」は外部で、集中的に加熱・集中的に冷却しています。
これに対し「内部熱交換型蒸留プロセス」は濃縮部の凝縮熱を回収部の蒸発熱として分散利用します。そのため、濃縮部を分離してその操作圧力を上げ(液体は圧力を上げると沸点温度が上がるという性質を利用して)濃縮部全体の温度レベルを上げます。次に濃縮部と回収部を相対峙させます。ハードの構造を、そのようにしていれば、濃縮部より回収部に熱は流れます。熱が流れると、必然的に濃縮部は冷却され、回収部は加熱されることになり、リボイラーとコンデンサーの仕事はその分だけ低減でき、顕著な省エネルギー効果が得られます。

HIDiCベンチプラント

  • 1999年12月運転開始
  • 100時間以上の連続運転
  • 外部還流”ゼロ”の運転にも成功。塔頂より99.9%以上のベンゼンが留出。
  • 従来型と比較して50%以上のエネルギー削減が可能