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創立74周年記念技術書

輸送プロセス化学工学

本書の発刊の目的と意義について

原書”Transport Process Chemical Engineering”(2021) を、弊社の特別顧問として活躍中の著者自身が日本語に翻訳した化工技術者の基礎教育のための教科書です。その目指すところは、化学工学が成熟して工学基礎分野となった今、工学基礎教育における大学と産業界の力点の間に、現在、大きな乖離があること、そして活躍すべき化工技術者の経験や知識のバックグランドに変化が起き、多様化して力点がバラバラになって、薄まって来ていること,技術の進化・発展のために必要と思われる「基礎原理の原点に立ち帰ろう」とする動きが鈍って来ていること、等々を真摯に受け止め,お互いを理解し合いながら原点を共有することだと思います。これらの問題意識から、化工技術者が本来の目標を失わないように、これからどうあるべきか,どうあってほしいかを考えて、化学工学基礎の教科書を発刊することにしました。学界,産業界いずれにとっても将来のために考えるべき重要な問題であり,本書は一石を投じるだろうと思います。

日常生活や通常の多様な業務、産業界の多方面の生産業務にも経済的不利益や不便であ ったり、能率が悪かったり、不安定であったりで、技術開発、改善をやらなければならない問題は多々あります。当然、面倒な作業や操作の改善、コストダウンは常にありますが、これからの産業界を支えるためには、本質的な R&D の活性化とグレイドアップが重要であり、本来の多様なニーズの活発な探求、エネルギー問題や環境保全問題への貢献、持続的循環型社会の構築への活動と貢献、そしてやはり化学プロセスの現象やその原理そのものの基礎の理解と有用な知識の蓄積と基礎実験と試行が重要であり、本書が優秀な化工技術者の育成の一助となることを期待します。

なお、原書”Transport Process Chemical Engineering” は、下記ページにて公開しています。

また、神戸大学附属図書館のご厚意により、付属図書館のリポジトリーに保管され、公開することになり,下記のURLにもアクセスすることができます。

  • 2021年11月
  • 関西化学機械製作株式会社
  • 代表取締役社長 野田秀夫