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理想溶液とは

「ラウールの法則」が成り立つ溶液を理想溶液といいます。「気体は理想気体として取り扱っても問題なし。」と言い切ってしまいましたが、溶液では理想溶液として取り扱える溶液は、残念ながら分子構造が似通ったメタノールーエタノール、ベンゼンートルエン等ごく一部の組み合わせとなります。 しかし、理想溶液の振る舞いをする溶液があるということは、蒸留操作の概念を知るうえでは、理想溶液として取り扱っても十分です。

「ラウールの法則」とは、気相の分圧 pi は、溶液中のそれぞれの純粋成分の蒸気分圧 Pi とそれぞれの溶液の濃度 ximol-fr の積となるという法則です。 ここでも液中の分子の数の割合となります。

pi = Pi xi

(12)式に(11)式を代入して

pi = 10 A B t + C xi

(13)式は、温度一定条件(定温)では、蒸気分圧は単純に液濃度(mol-fr)によって決まりその比例定数が純成分の蒸気圧であることを示している。

非理想溶液では、活量係数とよばれる r を比例係数(補正係数)として

pi = Pi ri xi

この ri は定数ではなく xi によって変わるというやっかいものです。 rixi として活量とよばれます。非理想溶液の話は、取り敢えずはここまでとして、理想溶液として進めます。